わかりやすい安全保障・軍事入門

ニュースなどで聞くけど難しいと感じる軍事や防衛、安全保障などについて入門者向けにわかりやすく解説していきます。たまに軍事のマニアックなネタや軍事に関する歴史なども解説。

抑止力とは何なのか

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安全保障や軍事の分野では「抑止力」という言葉をよく聞きます。今回は「抑止力」をテーマに、概要をわかりやすく説明します。

「抑止力」という言葉を一ページにまとめるのはとても難しく、この言葉で一冊の本が出来あがるぐらいです。「抑止力」といってもいろいろ当てはまったり種類があるため、ここでは一例を挙げて説明するものの、全て該当するとは限りません。「抑止力」のテーマについては、今後も補足の別記事を挙げて説明していく予定です。

「抑止力」とは

「抑止力」とは、簡単に言えば「戦争を仕掛けようとする気持ちをやめさせる力」です。「戦争を仕掛けようとする気持ち」とは何なのか。それを知るには戦争はなぜ起こるのかを少し説明しなければいけません。

戦争を「仕掛けようとする気持ち」とは

まず戦争とは、ある国が何かしらの目的を達成しようとする所から始まります。その目的とは、様々であるものの、ほとんどは「領土」、「利権」、「資源」、「思想」などの目的を達成しようとします。これらの目的に該当する国に対して、最初は交渉でその目的を得ようとします。(「領土を寄こせ」などと主張する)

交渉によって失敗して、これらの目的をどうしても達成しようとして、「戦争を仕掛ける」ことになります。しかし、問題としては戦争には莫大なコストがかかります。そんな莫大なコストを掛けてでも、達成したい目的があるために、戦争を仕掛けます。まるで戦争は博打や賭けのようなものであり、失敗(負け)すれば損、成功(勝つ)すればそれに見合った報酬(利権や領土)が手に入ります。

戦争を仕掛けようする事を止めさせる方法はないのでしょうか。

目的を得ようとしても「割に合わない」と思わせる力

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上記でも述べたように、戦争には莫大なコストがかかります。 具体的な費用を上げただけでも、まず「戦車や戦闘機、軍艦などの燃料代」、「兵士を育成する教育費」、「負傷した兵士を治療するための設備や人材」、「兵士に与える食料、弾薬や武器などの装備」など挙げればたくさんあるほどの馬鹿にならない費用がかかります。

戦争を「仕掛けられる側」は、負けないためにも軍事力を使って抵抗(防衛)します。そのため「仕掛ける側」は、「仕掛けられる側」を排除しようとして、それにより戦争は長期化します。

戦争が長引けば長引いて泥沼化するほど、それだけ戦争にかかるコストが増大し、国の財政を圧迫していきます。

仮に戦争を「仕掛けた国」が、長期間に莫大なコストをかけてでも勝利しても、得られる目的がそのコストの割に合わなければ、多大な損失を受けるだけになります。

 

つまり、「あの国に戦争を仕掛けても、自分達が割に合わなくなる」と思わせることにより、戦争を仕掛けようとする国に「仕掛けさせない」ことです。これが「抑止力」です。

軍事力の均衡による抑止力

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「軍事力バランス」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。「軍事バランス」とは、周辺国同士がある一定の同じぐらいの軍事力を持つことにより、軍事力を均衡させることにより、周辺国同士で抑止力が働かせることです。「軍事バランス」については、今後別な記事で詳しく説明していきます。

 

 

「抑止力」とは、「戦争を仕掛けて目的を達成しようとしても、自分達が損をするだけ」と思わせることだ覚えておくといいと思います。

今後も「抑止力」をテーマに、「抑止力」の種類など、別な記事を挙げていきます。

 

参考資料

riabou.hateblo.jp

【集団的自衛権】抑止力とは?わかりやすく解説